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01. Thirty-six 02. Two Color Dream 03. Clockwork - - - 04. Opening 05. Bougainvillea 06.Elegy 07. Sorta Samba 08. Part Five |
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このアルバムジャケットを見るたびに、ウィンダム・ヒルが日本で初めて紹介された時のチラシを思い出してしまいます(新星堂のシリウスコレクションの一枚)。当時は「風景が音楽になった。音楽が風景になった」といったコピーで、彼らのジャケットがほとんど風景写真だったのに対し、一部のアルバムだけが抽象的なアートで、どんな音楽が想像もつかず、なかなか手を出すことをしませんでした。 そのジャケットはリズ・ストーリー、シャドウファクス、そしてこのアレックス・デ・グラッシのアルバムの3枚でした。それらのアルバムは、リズのピアノソロを除いていずれもアンサンブル系で、当時ギターだけ、ピアノだけ、というジャンルを渇望していた私はアレックスのアルバムであってもなかなか手にすることはありませんでした。 時は流れ、テレビ朝日で放送した「ウィンダム・ヒル・コンサート・イン・白樺湖」。このコンサートに参加していたアレックスはリリコンのチャック・グリーンバーグとこのアルバムからアルバムタイトル曲“Clockwork”を披露してくれたのです。白樺湖というロケーションも良かったので、初めて聴くリリコンという音色とギターのハーモニーがテレビ画面からも心地よく流れてきました。このアルバムのA面(私はアナログしか持っていないので)最後に収められています。 それまでのアレックスのアルバムは2枚ともギターソロのアルバムでしたが、3枚目になってアンサンブルへのアプローチを計りました。ウィリアム・アッカーマンよりも一足早い試みですが、ウィルよりもアンサンブルにいたってはパーカッシブな傾向にあります。 このアルバムにゲスト参加しているプレイヤーたちは、この時点でウィンダム・ヒルからデビューしているのはスコット・コッスだけで、オープニングではスコットのソロ・アルバム『WIND DANCE』を彷彿とさせるリズミカルなナンバーで始まります。スコットの参加は、彼のアルバムにアレックスがゲストとして名を連ねているから、そのお返しなのでしょう。また、ヴァイオリンのダロール・アンガーとマンドリンのマイク・マーシャルはもしかするとデビュー前に挨拶代わりとして参加させたのかもしれません。そんなことを考えながら各曲でプレイしているアーティストの名前を見ていると、のちのウィンダム・ヒルで人気を博すことになるミュージシャンが揃っていて、今考えるとまことに豪華なアルバムでした。 オーディオファイルからの視点では、このアナログ盤のカッティングがMobile Fidelity Sound Labsでプレスされていることが嬉しいです。CDでのリリースもMFSLだったらなお良かったのにと思いますが、この時点でウィンダム・ヒルのサウンドがオーディオファイルの世界でも高く評価されていたことの表れだったのでしょう。CDよりもアナログ盤の方が音の厚みがあって、スピーカーから流れてくる音は、まるで演奏者が目の前にいるかのように生々しく室内に充満します。ぜひ、アナログを聴く機会があれば耳を傾けて体で感じてみてください。 |
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〜Discography〜 Other Label; |
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